ロコモティブシンドロームとは
加齢、関節や脊椎の疾患、骨粗しょう症などで運動器の機能が低下し、要介護や寝たきりになっている、あるいはそのリスクが高い状態をロコモティブシンドローム(Locomotive Syndrome、ロコモ)と言います。運動器の機能低下の基準ですが、筋肉、骨、関節、軟骨、椎間板などの運動器のいずれか、もしくは複数に障害があって、「立つ」、「歩く」といった機能が低下している状態です。これが進行すると日常生活にも支障をきたすようになります。
ロコモは、現代社会において「メタボリックシンドローム(メタボ)」や「認知症」と並び、「健康寿命の短縮」、「ねたきりや要介護状態」の3大要因のひとつと見なされるようになりました。
ロコモの予防は運動療法で
高齢化社会と呼ばれて久しいですが、老齢世代のお一人お一人が自分らしく生きていくには、できる限り運動器の機能を長持ちさせて、健康寿命(心身ともに自立し、健康的に生活できる期間)を延ばしていくことが大切です。
参考までに、日本人の平均寿命(2016)は、男性80.98歳、女性87.14歳に対して、健康寿命は、男性72.14歳、女性74.79歳です。
ロコモになる主な原因は「不適切な生活習慣」「加齢老化」「運動の過不足」の3つあるとされていますが、これらを解決する策として最も有効なのが運動療法です。
運動には三要素というのがあります。それは、支える力、曲がる衝撃を吸収する力、動かす力です。これらが鍛えられると、ロコモの状態になりやすいとされる、骨粗しょう症、関節症、脊椎疾患の予防や治療になるほか、筋力や運動神経も維持できるようになります。
当院は、自分の足でいつまでも歩き続けるため、また日常生活などに欠かせない運動器を鍛えるためのロコモーショントレーニング(略称:ロコトレ)を指導するのをはじめ、リハビリ室での機器を用いての訓練も行うことで、ロコモの予防・治療を行います。
詳細なメニューにつきましては、お気軽にお問い合わせください。
あなたのロコモ度をチェック
近頃つまずくことが多い、疲れやすい、体力の衰えを感じるようになったという方は、一度ロコモ度をチェックしてみましょう。以下に挙げるチェック項目でひとつでも該当する箇所があれば、ロコモが疑われます。該当する項目が1個以上あるという方は、ゼロを目指してロコトレを始めていきましょう。
理学療法士によるロコトレのお手伝いをいたします。
- 片脚立ちで靴下がはけない
- 家の中でつまずいたり滑ったりする
- 階段を上るのに手すりが必要である
- 横断歩道を青信号で渡りきれない
- 15分くらい続けて歩けない
- 2㎏程度の買い物(1リットルの牛乳パック2個程度)をして持ち帰るのが困難である
- 家の中のやや重い仕事(掃除機の使用、布団の上げ下ろしなど)が困難である。